COMMENT

綾辻行人(作家)

大勢の生徒たちが組み体操をしながら襲ってくる! というホラー映画史上前代未聞の場面だけでも、一見の価値がある。クライヴ・バーカーの傑作小説「丘に、町が」をつい思い出しながら、「おおーっ」と声を上げてしまった。
『みなに幸あれ』から注目している下津優太監督だが、やはり目が離せない。

ISO(ライター)

「前にならえ」こそ美徳。そんな軍隊式教育の残滓がいまだ息づく日本の教育、ひいては日本社会の気色悪さを穿つジャンルレスな一撃。ぶっ飛んでいるが、それと同時にこれほど切迫感を持った物語を“人間ピラミッド”なんて題材から紡ぐとは。
笑いながら背筋が冷える。下津監督のイマジネーションは一体どうなってんだ!

宇野維正(映画ジャーナリスト)

『NEW GROUP』を非現実的な作品だと思った人は幸せだ。
自分にとって本作は、最初から最後まで今の日本の現実でしかなかった。
『WEAPONS/ウェポンズ』や『プルリブス』との同時代性にも注目。

SYO(物書き)

組体操で同調圧力を描く発想とマジで映画化した実現力…
これが作家性だ。そしてこれこそ真の社会風刺ホラーだ。
観たかったの先を行く下津優太監督にまたも震わされた。

末廣末蔵(ジャンル映画大好きツイッタラー)

秩序としての集団、同調、いや諦念としての集団を憎みに憎んだ結果、その忌むべきものに「組体操」と言う狂った姿形を与えてしまった恐るべきビジョン。
こんな映画、他に無いだろう。
搾取構造のピラミッド社会、トゲトゲして角張った世の中に、あの山田杏奈が立ち向かう、僕らの丸い地球のために。
こんな映画、思い付くわけがないだろう。
不確実な時代の二極化社会に血の混じった唾を吐く、それでも「人間の絆」を信じたい魂魄の博愛ホラー映画が誕生してしまった。

人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)

学校生活や社会生活が組体操に繋がり、やがて人間ピラミッドが完成する。個を消し去り一つの巨大な集合体になることこそが幸せだと言う。日常を誇張し切るととこうなるのかもしれない。困惑と狂気が渾然一体となり、不思議な感動が包み込む、唯一無二で奇天烈な映像体験。みんなで映画館の席を埋め尽くしてこの異常事態を共に味わう。これこそがナイス集団行動です。

野水伊織(映画感想屋声優)

みんな同じでマジョリティ。同じじゃなければ敵、同じじゃなければ潰す(物理)。
そうして思考を放棄させて“同じ”を強いてくる、これは同調圧力アポカリプスホラーと言えるだろう。
人間ピラミッドが肥大していく様は滑稽だが恐ろしい。それはきっと、その背景に現代社会を感じるからだ。
少数の孤独に耐えるよりも、個を殺して多数派に成る方が幸せなのか。
きっとピラミッドは、私たちのすぐ後ろまで来ている。

夜馬裕(怪談師/作家)

校庭の中央に現れた、組体操で作られた人間ピラミッド。
この不気味な出来事はさざ波のように広がり、学校を、街を、世界を静かに覆っていくーー。

集団の一員であることの安心と無機質さ。
群れから外れた個人としての不安と自由。
展開が予測できない奇抜で不気味な作品でありながら、そこにあるのは紛れもない私たち自身の物語。
観る者の心を揺さぶる、新たな社会派SFホラーの誕生に刮目せよ!

𠮷田光希(映画監督『廃用身』)

違和感があまりに連続するので、「そこまでやりますか!?」と何度も吹き出してしまいました。
何が起きているのかわからないのに、降りられない乗り物に乗せられている感覚。
不条理を比喩に回収せず、すべてを現実として押し通してしまう。
単なる「集団の怖さ」の映画ではない。いつの間にか集団に属する心地よさまで見えてくる。
その危うさにゾッとしました。これ、IMAXで上映したらどうですか!?